設計手順書の作成法と戦略的な仕様統制

2017年3月23日(木)、弊社ディレクターの江崎が(株)R&D支援センター様主催セミナーにて講演致しました。

以下に概要をご報告いたします。

<セミナ概要>

■開催日時:2017年03月23日(木)10:30~16:30

■主催:(株)R&D支援センター

■講座の内容

■習得できる知識
・設計手順書作成の意義や効果につき、理解を深めることができます。
・設計の標準化の意義や効果につき、理解を深めることができます。
・担当する製品やユニットの特性に合った設計標準化の展開の仕方が身につきます。
・簡潔で分かりやすい設計手順書を作り上げるノウハウが身につきます。
・設計手順の自動化・システム化の構想を描くことができます。
・Industry4.0時代に製造業の競争力に直結する仕様統制の重要性や具体的な進め方につき、理解を深めることができます。

■趣旨
設計手順書作成の重要性は、以前から喧伝されています。しかしながら、「多大な時間・お金・エネルギーを使って設計手順書を作成してみたが、見る人も少なく、活用されていない」という声が多く聞かれます。きちんと成果を刈り取れている会社は殆どないといっても過言ではありません。中途半端な段階に留まっていることは自分達でも認識しており、「さらなるステップに進みたいのだが、方向性の見失い感、行き詰まり感があり、ここから先の進め方が分からない」というご担当者が何と多いことでしょう。
筆者は、経営環境や製品特性が異なるさまざまな設計現場に深く入り込み、顧客と一緒に泥まみれになりながら、活動を推進してきました。顧客メンバーと意見をぶつけあい議論する過程で、こちら側にも多くの学び、発見、示唆があり、方法論を進化させてきました。本講義では、その経験に基づいた実践的なノウハウを、実例や演習も交えながら皆様に習得していただきます。また、設計手順書の先に広がる世界である「戦略的な仕様統制」についても、概念や事例につき紹介させていただきます。

■プログラム
1.今日の設計現場の現状と課題
1-1.ながらく「聖域」であったがゆえの、知識や知見の体系化整理の遅れ
1-2.重要ノウハウほど個人持ちExcelで管理している実態
1-3.3D-CADの導入で設計現場から失われたもの
1-4.技術伝承や不適合事象再発防止問題の深刻化
1-5.日本人設計者の特性(長所と短所)とは

2.設計の標準化
2-1.設計手順書と設計の標準化の位置づけ
2-2.日本人設計者の特性や自社製品・ユニットの特徴を踏まえた設計標準化
2-3.ギリギリを追求する「限界設計」に設計標準化手法は適用できるのか
2-4.実践的な設計標準化の出発点は、「仕様」と「要求」の見直しから始まる
2-5「仕様」情報を体系的に管理する
2-6.標準数・モジュール数の効果的な使い方について
2-7.理想は製品設計と工程設計の融合にあり
2-8.活動成果を継続的に維持・進化させる仕組み

3.実践的な設計手順書作成
3-1.個別設計手順書に着手する前にグランドデザインを行う
3-2.設計手順書全体の作成計画の策定
3-3ベテラン設計者が書きがちな手順書の姿とその問題点について
3-4.IT部主導で構築した設計ナビゲ―ションシステムがあまり使われない理由
3-5.設計手順書を作成する上での5つの基本原則
3-6設計手順書作成だけで技術伝承問題が解決されるのか

4.戦略的な仕様統制
4-1.設計手順書と仕様管理・統制の位置づけについて
4-2.Industry4.0時代では仕様管理力の差が製造業の競争力格差に直結する
4-3.仕様項目や仕様値を管理する上での重要なノウハウ
4-4.戦略的な仕様統制とその威力

5.本日のまとめ